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「ヘルペス」は、「ヘルペスウイルス」というウイルスが皮膚や粘膜に感染して、水ぶくれができる病気のことです。
くちびるのまわりに水ぶくれができる口唇ヘルペスの場合、ウイルスに感染している日本人は20~30代で約半数、60代以上ではほとんどの人が感染しているというデータもあります。

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手鏡で自分の口元を気にしている女性

ヘルペスと言えば痛みやかゆみを引き起こす厄介な感染症として知られていますが、中には身体だけでなく性器に発症してしまうタイプもあります。
特に女性の場合は環境的になかなか治りにくく、激しい症状が現れるため生活に支障をきたすこともあるため注意が必要です。
注意が必要な性器ヘルペスとはどんな症状なのか、治療せずに放っておくとどうなってしまうのかなど、正しい知識を身につけて対策や予防に役立てるようにしましょう。

性器ヘルペスの症状

ヘルペス病原体のイメージ

性器ヘルペスと聞くと性病というイメージが強いですが、正しくはウイルスによる皮膚病の一種です。
もちろん性交渉によって感染することもあるのですが、感染者と同じタオルや食器を使用することや、洋式トイレを介して感染し、性交渉の経験が無い人も発症するケースもあるので一概に性病とは言い切れません。

正確に言うと単純ヘルペスウイルスが増殖することで発症する病気で、1型と2型に分かれています。
性器ヘルペスの原因となるのは2型のウイルスで、患者は初感染時に発症するタイプと初感染時以降に潜伏期間を終えてから発症するタイプ、初感染時に発症した後に再発するタイプの3種類に分けられます。
実際に身体に現れる症状は上記のどのタイプかによって大きく異なり、初感染時が最も激しく重い症状で、再発するごとに症状が軽くなっていくのが特徴です。
初感染時は、女性の場合約2週間から4週間、男性だと約2週間から3週間ほど性器に症状が現れます。
再発した場合は約3日から1週間ほどで症状が治まりますが、その期間は初感染時と同じように性器に症状が出ます。

初感染した場合、特に症状が酷いため注意が必要です。
性器の外側や内側に赤い水膨れができ、ヒリヒリ感や痛み、かゆみなどを伴います。
非常に激しい痛みを感じる人がほとんどで、尿がしみて激しく痛むことで排尿が困難になり、歩行ができなくなることまであります。
水泡はやがて破れて潰瘍になり、時間の経過とともに治癒していきますが、激しい頭痛や高熱などを伴うこともあるため症状が酷い場合は入院する人もいるほどです。

女性の場合は外陰部や膣の入り口、子宮頚部に膀胱やお尻にまで症状が現れることもあり、脚の付け根のリンパが腫れてしまうこともあります。
男性は女性よりも軽い症状で済むことが多いですが、性器の先端や包皮、身体やお尻などに水泡ができることが多いです。

再発した場合は初感染時よりも格段に症状は軽く、水泡がいくつかできる程度です。
大きさや量もあまり目立たず、痛みやかゆみもそれほどではありません。
ただ、症状が軽くてもウィルスの感染力は同じです。
水泡がつぶれて浸出液が他の部分に付くとそこからヘルペスに感染する可能性が高いので、注意しておきましょう。
また、再発では水泡が出る前にムズムズとした違和感を覚えることがあります。
前兆の段階で薬を飲むと、発症を抑えることもできるので早めの対処が重要になります。

ヘルペスを放置するとどうなる?

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ヘルペスは時間の経過とともに体内の免疫システムによって退治されていくため、放置していてもいつかは治癒します。
このため特に治療をせずに放置している人も多いのですが、実際にはできるだけ早く病院で治療を始めることが大切です。

病院で治療を受ければ、自然治癒させるよりもずっと早く症状を改善させることができます。
初めて感染した際は特に重い症状が出るため、放置しておくと身体や生活面に大きなダメージを与えてしまいます。
症状が長引いても辛い思いをするだけなので、勇気を出して病院を受診するようにしましょう。

ヘルペスを放置していると、危険なのは自分だけではありません。
水膨れや潰瘍になっている状態では内部に多くのウィルスが存在しており、それが他の人に付着すればその人もヘルペスに感染してしまいます。
ヘルペスウィルスは非常に感染力が強く、タオルや食器などの使いまわしでも感染しやすいので注意が必要です。
家族や恋人に移してしまうリスクが非常に高いので、決して放置はしないようにしましょう。

また、患部が水泡や潰瘍状態になっていると、皮膚本来のバリア機能を果たすことができません。
外部の雑菌や病原菌がそこから体内に侵入しやすくなり、性感染症に感染する可能性が格段に高まってしまいます。
他にもウィルスの増殖が止まらなければ頭痛や髄膜炎、末梢神経麻痺などの怖い症状を引き起こすこともあります。
その中でも最も怖いのは、ウィルスが神経や血液を通して脳にまで到達し、脳炎を発症してしまうことです。

脳炎はその名の通り脳に炎症が起きる病気で、頭痛や高熱、嘔吐などに始まり、悪化すると痙攣や意識障害に半身不随など恐ろしい症状を引き起こしてしまいます。
ヘルペス脳炎になった場合、一刻も早く治療を開始しなければ手遅れになってしまうので楽観視できません。
脳にダメージが残ってしまえば後遺症のリスクもあるので、放置するのは非常に危険です。

また、女性の場合は膣の内部や子宮頚部など分かりにくい部分に発症し、不妊の原因になってしまうこともあります。
不妊だけではなく、妊娠中や出産して間もないお母さんが発症すれば、赤ちゃんに感染させる危険性もあります。
抵抗力の弱い赤ちゃんが感染すると命を失うこともあるので、絶対に放置してはいけません。

このように、ヘルペスだからと楽観視して放置していると様々なリスクが付きまといます。
発症する場所が場所だけになかなか病院へ行く勇気が出ませんが、自分はもちろん家族や恋人のためにも早めに治療を始めるようにしましょう。

ヘルペスを見つける検査の方法

性器ヘルペスは比較的病変が目で見て分かりやすいので、専門医が視診や問診で診断を下すのが一般的です。
このため検査はあまり行われていませんが、再発を繰り返す場合や治療薬が効かない場合、ヘルペスかどうか判断が難しい場合などは検査で確定診断することもあります。
ただ検査は専門的で難しく、時間も費用もかかりがちなのでどの病院でも受けられるわけではありません。
検査を受けたい場合は事前に対応してくれる病院を探し、費用も準備しておくようにしましょう。
現在日本で主流なのは、ウィルス抗原検査と抗体検査の2種類です。

ウィルス抗原検査
ウィルス抗原検査は水泡ができている場所の細胞や分泌物を採取し、分離培養法や蛍光抗体法などを用いてウィルスの有無や型を判断します。
分離培養法は確実性の高い検査ですが、培養に時間もかかりますし保険が適用されないので費用が高額になりがちで、あまり行われていません。
抗体検査
一方の蛍光抗体法を用いる検査は、1時間前後で結果を知ることができますし保険も適用できるので、比較的手軽に受けることができます。
ただ、はっきりと水泡が出ている状態でないとウィルスが採取できないので、確実性では分離培養法に劣ります。

ウィルス抗体検査は、血液を採取して調べることで簡単に結果が分かるので便利です。
水泡が出ていなくても問題なく、抗体の有無によって過去にヘルペスウィルスに感染したことがあるかが分かります。
この検査で分かるのは感染歴のみで、型や今現在発症しているのかなどは分かりません。
あくまでも抗体について調べるに留まるので、検査しても有意義な結果が得られるとは限りません。
必要に応じて保険を適用して検査することができますが、自主的に検査を希望する場合は自由診療となります。

既に症状が現れている場合は抗原検査が適しており、約8,000円で受けることができます。
発症はしていないものの、感染しているかどうか知りたいという場合は抗体検査を受けましょう。
抗体検査は感染を疑う性行為から1ヶ月以上経過していれば受けることができ、結果が出るまでには血液を採取してから数日かかります。

こちらも8,000円ほどで検査してくれる病院が多いです。
自分のヘルペスについて詳しく知りたい場合は、自由診療でも良いと伝えたうえで検査してくれる病院を探してみましょう。